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件(くだん)

長崎県長崎市出島 江戸時代末期、この近くに住んでいたある女性が怪異を産み落とす。 頭に二本のツノがあり、体は毛むくじゃらで、その顔は人間というよりは牛に近かった。 それは生まれて3日で死んだが、死ぬ前に言葉を話した。 それは「今より百年ののち、この地を灼熱の災厄が襲い、皆悉く死に至る」という予言じみたものであったという。

曲の種類

狂想曲→カプリチオ 協奏曲→コンチェルト 狂詩曲→ラプソディ 幻想曲→ファンタジア 五重奏曲→クインテット 交響曲→シンフォニー 四重奏曲→カルテット 奏鳴曲→ソナタ 鎮魂歌→レクイエム 追奏曲→カノン 夢想曲→トロイメライ 夜想曲→ノクターン 輪舞曲→ロンド 笑曲→スケルツォ

現在過去未来

 ~過去について~ 「間違っていたかもしれない」とは決して思わない事  それは  心挫かせ  光を奪い  歩みを止める  史上最悪の毒 ~未来について~ 足の向く先に  「かくあるべし」と信じる自分自身を  理想を強く想い描く事 たとえどんなに望もうとも  君は  死体か「理想の自分」以外にはなれない ~現在について~ 今  この瞬間に  この場所で  学びとれるすべてを学ぶ事 学ぶ「べき」事物などありはしない  予言者ならぬ我々に選択の余地はない

魔法使いと魔術師

人間は魔術師になれるが、魔法使いにはなれない。その逆も真。 魔法使いと魔術師は同じような力をふるうが、本質的な違いがある。 魔術師は魔法を使っているのではなく、魔法を使える存在を魔方陣や呪文や特殊な動作によって使役し、彼らの能力を現世に現出させる技術を学んだ人間である。 対して魔法使いは、「魔法使い」という種族であり、人間ではない。魔力、つまり視力や聴力のように感覚として「世界の本質を見る力」をもって生まれ、それ故に世界の姿を書き換えることが出来る。動植物を含むあらゆる種族に生まれい出る可能性があるが、その多くは生まれてすぐに自分の力を制御できず死亡する。運よく生き残った存在が精霊や妖怪のような存在となる。人間の魔法使いが比較的数が多いのには、先人による保護と教育のたまものであると言える。ハリーポッターを参照。 魔法使いは魔術師と違い、本能的に魔法を使う。それゆえ、「なぜこの魔法はこの結果を生むのか」は説明できない。過程をすっ飛ばして結果だけを生む、いわば解答を丸写ししている状態である。 対して魔術師は綿密な計算と正確な術式を用いて魔術を発動させるため、極めて理論的な存在である。それゆえ、たいていの魔術師は一人前になるまでに長い時間を要し、多くの場合老人の姿で描かれる。

人間の定義についての考察

  ・記憶情報が人間だと考えた場合、更新されない記憶情報は?記述や書物は? ・死者の定義は?    生者の定義は?    死とは、脳死の時点?心臓死の時点?    脳死の時点だとすると、脳死判定する医師は生死を司る現代の神官か?    生死判定が、病院という密室の中で医師のみが実行を許される「秘密の儀式」となってしまわないか?     誰の目からも明らかな生死判定とは? ・「他人の臓器を移植してまで生き延びたい」とは、一体どういう意味なのか?    対象者にそうまでする価値があると、だれが決められるだろう? ・臓器移植がOKならば、脳死した人体をどのように利用しようと構わないのではないか? ・人工呼吸器を付けておけば、寿命まで持つ血液生産工場として機能しないか?    ・新鮮な臓器の貯蔵庫となってしまわないか? ・臓器移植がOKで、血液の生産機械として扱うのはNGな理由は?    ・脳死した人物の意志が確認できていれば、人体実験用の献体とするのはOKか?    ・脳死した女性から取り出した卵子はいったいどういう存在か? ・不健康な5人と健康な1人がいた場合、健康な1人を殺して5人を健康にするのは問題ないのか? ・人体は「部品」の集合体か? ・物事を難しく考えすぎなのだと思う。 ・だが、僕にわかるように説明できないということは、君も理解していないということではないか?

ルサンチマンと司牧者

  「高貴な者」は能動的な人間たちであり、行動することに幸福をみいだす者たちである。 これにたいして「無力な者、抑圧された者」は労働を強いられているために、休息や平和のうちに幸福をみいだすにすぎない。 彼らは受動的な人間である。 そして高貴な者たちを恨み、自分たちの境遇を恨むことしかできない。 怨恨(ルサンチマン)の感情で満たされた奴隷たちは、「毒を含み、敵意をもった感情で化膿している」のである。 こうした者たちは、境遇を変えるために行動することができない無力な者たちであるために、心の中で価値を逆転させるしかないのである。 そこで心の中でひそかにこう考える。 われわれは無力である、しかし無力であるということは行動しないことであり、他人を強制して働かせたりすることも、他人に暴力を行使することもないということである。 ということは、われわれは善人だということだ。 「善人とは暴力を加えない者であり、復讐は神にゆだねる者であり、われわれのように隠れている者であり、……われわれのように辛抱強い者、謙虚な者、公正な者のことである」。 こうして奴は善なる者となり、主は悪なる者となったのである。 司牧者の役割 しかしこれはただ心の中だけのことだった。 たんなる恨みの感情からの自己憐憫であり、自己欺瞞にすぎない。 しかしここでこの感情を理解し、これに働きかける人物が登場する。 これは奴のように受動的な人間ではなく、他者に働きかける能動的な人間であるから、もとは主の身分のものだったに違いないとニーチェは想定する。 この人物が、奴の受動的な怨恨のルサンチマンの感情に働きかけ、これを正当化することに成功するのである。 これがユダヤ教とキリスト教の司牧者である。 司牧者はまず自己に能動的に働きかける。 「ある種の食餌療法(肉食を禁止すること)、断食、性的な禁欲、〈荒野への〉逃避」などの禁欲的な理想を実行するのである。 この禁欲的な理想には、修道院における労働が含まれていたことは当然のことである。 やがて司牧者はこの理想にふさわしい人々をみいだす。 それが労働と禁欲を強いられている奴隷たちである。 司牧者は奴隷たちに話しかける。 「惨めな者たちだけが善き者である。貧しき者、無力な者、卑しき者だけが善き者である。苦悩する者、とぼしき者、病める者、醜き者だけが敬虔なる者であり、神を信じる者である。

マジックジョンソンの言葉

  もし、自分でなにかを成し遂げたかったら 出来なかった時に他人のせいにしないで 自分のせいにしなさい 多くの人が、君に「無理だよ」と言うだろう 彼らは、君に成功してほしくないんだ なぜなら、彼らは成功出来なかったから 途中で諦めてしまったから だから、君にもその夢を諦めてほしいんだ 不幸なひとは、不幸な人を友達にしたいんだ 決して諦めては駄目だ 自分のまわりをエネルギーであふれ しっかりした考え方を、持っている人でかためなさい 自分のまわりを野心であふれ プラス思考の人でかためなさい 近くに誰か憧れる人がいたら その人に、アドバイスを求めなさい 君の人生を、考えることが出来るのは君だけだ 君の夢がなんであれ、それに向かっていくんだ 何故なら、君は幸せになる為に生まれてきたんだ

ジョーク集

  信仰を持つものが無神論者より幸せだという事実は、酔っ払いがしらふの人間より幸せなことに似ている キリストは好きだが、キリスト教信者は好きではない。キリスト教信者はキリストのようではない もしユダヤ人が神を殺したと言うなら、ユダヤ人を崇拝するべきだ 妄想の妄は、女を亡くすと書きます この国の人はお金はありますが心が病んでます 腰は曲がっていないが根性は曲がっておる 返事をするからストーンヘンジ 呼べば答えるストーンヘンジ 落ちるかどうかについて考えると落ちなくなるわけではない 高所作業に適応できる人間というのは、つまるところ、「もし落ちたら」ということを想定しない人間のことである 「信者」という言葉は、合わさると「儲ける」という漢字になる。よく覚えておけ。 古代太陽神の祭日に薄暗い建物に集い、血と肉を象徴する食物を食べ、古代の拷問具に祈りを捧げる くう、知識だけは一万円じゃない一人前

カニバリズムのカテゴリー

  カニバリズム(人肉食)は大きく2つのカテゴリーに分けることができる。 1つがエンドカニバリズム(内食人)であり、部族や家族内の死者に敬意を表するため行うものである。例えばクールー病が蔓延したパプアニューギニアのフォレ族がこれを行っていた。クールー病の蔓延は、彼らが死者の脳まで食していたため起こったと考えられている。 もうひとつがエクソカニバリズム(外食人)と呼ばれ、命を盗んだり、敵を威圧したりする目的で外部の人間を食するものである。世界では今日でも行われており、例えばシリアの反政府軍司令官は敵兵士の内蔵を食べたことが報告されている。ほかにも2014年、中央アフリカ共和国の「マッド・ドッグ」という男は、殺された家族の復讐を遂げるために、犯人のイスラム教徒を殺害し、その足を食べたという。この地域では、敵の肉を食べると途方もない力を授かるという信仰があるそうだ。

幼ごころの君

幼ごころの君 ・生来固有の名前をもたず、ただ唯一、ファンタージエンを訪れた子供達から贈られる名前を引き受ける。 ・ファンタージエンの根幹をなす存在で、何者にも縛られず、何者も支配しない、存在することですべてが存在する。 ・「幾多の夢の集合体」であるファンタージエンに君臨する「唯一絶対の存在」であるゆえに、固有の名前を持たない。 ・なにものもその存在を犯すことはできず、主人であるはずの子供達ですら、手を出すことは出来ない。 ・彼女が失われれば、ファンタージエンは終わる。 自分自身の心を反映した世界でありながら、唯一手を出すことの出来ない存在 =その存在が失われれば「自分自身の心を反映した世界」もまた終わる(幼年期の終わり) =自分自身の子供心そのもの =それゆえに「幼ごころ」の君

悲しき夜の秘宝

1520年、エルナン・コルテスが、アステカ、ティノティトランにて征服の途中、激怒したアステカ人による反乱・暴動にあい、自軍のスペイン兵を失い退却した。 その際に彼が置いていった戦利品の宝は、アステカ人がスペイン人の目をくらますため丘の周りに埋めたとされている。 コルテスが軍を率いて戻ってきた際、生き残った人たちに宝について尋ねたが、手掛かりは何一つつかめなかった。 どこかにまだ、あの秘宝は眠っているのだ。

ベジタリアンの種類

1. フルータリアン:木の実(果物・ナッツ類、木になる野菜)以外は食べない。 2. ビーガン(ヴィーガン):ビーガン(VEGAN)とは、鳥獣の肉、卵、魚介類およびそれらの副生成物(ラード、ヘット、ゼラチン、肉エキス、鰹節・鰯・エビなどの出汁、魚を殺傷して得た魚卵などを含む)が含まれるものを口にしない。なかでも厳格なヴィーガンは蜂蜜なども含む動物性の食品を一切摂らず、開発に動物実験を要した薬品や化粧品などの使用を避け、動物製品(皮革製品・シルク・ウール・真珠・珊瑚など)を身につけない者を指す場合もある。 3. 食用・衣料用・その他の目的のために動物を搾取したり苦しめたりすることを、できる限り止めようとする生き方。ビーガンは動物に苦みを与えることへの嫌悪から、動物の肉(鳥肉・魚肉・その他の魚介類)と卵・乳製品を食べない人たち。(西洋):肉・乳製品まで取らない。 4. ラクト・オボ・ベジタリアン:肉・魚は食べないが乳製品や卵は取る。 5. ペスコ・ベジタリアン(魚菜食): 肉、卵、乳製品は食べないが、魚介類は取る。 6. ノン・ミート・イーター:肉は食べないが魚介類は取る。(マクロビオティックはこの辺を対象にしているようです。) 7. ポゥヨゥ・ベジタリアン:肉の中でも鳥は食べる。 8. セミ・ベジタリアン:肉をなるべく食べないようにしている人。

最悪の魔剣

その剣には何の謂れもなく、魔力もなく、金属ではなく木から削り出され、刃さえ碌になかった。 神話の中で用いられたのはただの一度。けれど、そのひと振りでその神話世界を破壊してしまった。神話世界において有り得ないほど無能力でありながら、その影響力は計り知れないものがあった。 その剣の名はミストルテイン。北欧神話世界のすべてを滅ぼした神殺しの魔剣である。 すべては太陽神バルドルの悪夢からはじまる。美貌と才能に恵まれ、誰もに愛されたバルドルだったが、ある時から悪夢にさいなまれるようになった。これを心配した母神フリッグは生物無生物を問わず世界中に存在するすべてのものに、「息子バルドルを傷つけない」誓いを立てさせる。このため、いかなるものもバルドルに傷をつけることはできなくなった。ところが、世界の端に生えていたヤドリギの新芽だけは、若すぎてその必要がないという理由で誓いを立てていなかった。 こうして無敵の存在になったバルドルに、ほかの神々はたわむれにいろいろなものを投げつけて遊び、それらがバルドルに傷一つつけられないことを喜んだ。それは太陽が永久不滅であることのあかしだった。 しかし、これを面白く思わない悪神ロキは、誓いを立てていないヤドリギの話を聞きつけ、その枝から剣を作り出した。ミストルテインと名付けられたその剣は、盲目ゆえに遊びの輪から外れていたバルドルの兄弟神ヘズをたぶらかし、バルドルめがけて投げさせる。バルドルは兄弟神の投げたミストルテインに当たって命を落としてしまう。 これを嘆いたフリッグは、死の世界ヘルヘイムに赴き、死の女王ヘルにバルドルの復活を願い出る。ヘルは「全世界のものがバルドルのために涙を流すのであれば」という条件で復活を許可する。 事実、全世界のすべてのものがバルドルのために泣いた。ただ一人、女巨人セックを除いては。このため、バルドルの死は決定的なものとなってしまった。のちにこの女巨人セックはロキが変身した姿であったことが判明し、彼は神々に捕まり「洞窟に縛り付けられ、永遠に毒蛇の毒を浴び続ける」という厳しい罰を受けることになる。彼が苦しみから身をよじるために地震は起こるとされている。 かねて、最高神オーディンは巫女から予言を受けていた。 曰く、「息子は息子に殺され、神々が復讐するが時遅く、太陽は徐々に力を失い、世界は黄昏

見るということ

「お前は見られている」が宗教。  「見られていなくても」が道徳。   「どう見ているか」が哲学。  「見えているものは何か」が科学。   「見えていたものは何だったか」が史学。  「見えるようにする」のが数学。  「見ることが出来たら」が文学。  「見えている事にする」のが統計学。  「見られると安定する」のが変態。

ヤマハ無双

ヤマハの歴史  ・最初は輸入ピアノの修理→楽器関係作る  ・楽器やってた流れで電子楽器も作る→DSPデジタルマイクロプロセッサも作る  ・DSPを他に利用しようとして→ルータ作る  という流れで、楽器、電子機器、ネットワーク関係の製品を作るようになった。   じゃ、なんで発動機や家具とかも作ってるかというと、  ・ピアノの修理で木工のノウハウが溜まる→家具を作る→住宅設備も作る  ・戦時中に軍から「家具作ってるんだから木製のプロペラ作れるだろ」といわれて戦闘機のプロペラ作る→ついでにエンジンも作る  ・エンジン作ったから→バイクも作る  ・エンジン作ったから→船も作る→船体作るのにFRPを作る  ・FRPを利用して→ウォータスライダー→ついでにプールも作る 

世襲議員

どこの国でも既得権を持っている人が20%前後はいるそうです。 今年の参議院議員選挙での政権与党の絶対得票率が17%ですから近い数字ですね。 既得権を持っている人や、補助金をもらっている人が投票に行くのは、なんとなくわかりますね? わかりやすくいえば、既得権のある人はみんなで後援会をつくって投票に行く。   政権が続いたほうが自分たちに有利ですから。 そういう人たちがどこの社会でも20%くらいいる。 投票率が50%前後と仮定します。 あなたが政治を変えようと思って立候補しても、当然、既得権を持っている人たちはあなたに投票してくれません。彼らの代表者に投票します。 つまり、あなたの対抗馬は既得権を持っている人の代表で多くは現職です。投票率が50%前後ということは、20%は黙っていても投票してくれるわけですから、仮に投票権のある人が100人いたとすると、現職の人はあと何人とれば選挙に通りますか? 5人ですね。 あなたは最低でも何人とらないといけない? 25人ですね。 ということは、5人対25人は何倍? 5倍ですね。 あの短い選挙期間に、現職者の5倍も得票できますか? ということは冷静に考えたら誰も立候補しないでしょう。 これが投票率80%になったらどうなると思いますか? これは先進国レベルの投票率です。 既得権を持っている人は何人とらないといけない? 20人ですね。   投票率が80%になれば。20+20=40。あなたは40人とらないといけない。 しかし、40と20なら2倍。2倍くらいだったら、自分は若いし、イケメンだから通るかもしれないと思えば、選挙に出ますよね。 だから投票率が低いと何が起こるかといえば、新しい血が政治の世界に入らず、世襲議員ばかりになってしまうのです。 現にわが国の政治家の5割以上が世襲議員だといわれています。 これほど世襲議員の多い国は世界中で日本だけのようです。 ほとんどの先進国は、たとえばG7で見ると、国会議員の中での世襲議員の割合は1割以下だといわれています。 だから、なぜわが国の社会が変わりにくいかといえば、投票率という数字できれいに説明できる。 一般論でいえば、既得権を持つ後援会に推されて当選した人が既得権を壊すことはできません。 どこの国であれ現在の政権与党にとって一番都合がいいのは、

罰金と賞金

稼いだら罰金 → 所得税 買ったら罰金 → 消費税 所有者は罰金 → 固定資産税 動かすと罰金 → 自動車税&ガソリン税 飲んだら罰金 → 酒税 吸ったら罰金 → タバコ税 死んだら罰金 → 相続税 継いだら罰金 → 相続税 貰ったら罰金 → 贈与税 住んでると罰金 → 住民税 働かないと賞金 → 生活保護

子供たちへ

世界で一番知っている人だから、世界で一番好きにもなるし、世界で一番嫌いにもなれる。   出会いを求めるな。選んだ、選ばれた奇跡を信じろ。 金は空気と同じだ。 両方とも生きるために必要だが、空気を多く吸っているからといって偉いとは言われない。 本当に金に困っている人間は犯罪など犯さない。 真っ当に生きようとしたからこそ、ホームレスになるしかなかった。 犯罪を犯すのは食うに困らない遊び金ほしさの者が大半だ。 たとえ奴隷でも、満足しているものは自由だ。 たとえ富豪でも、満足していないものは不自由だ。 まっすぐな道と回り道なら、回り道を行け。 回り道をしない奴は抜け道を知らない。 越えられない壁を越えようとして一生を終える。 常識がないのが罪なのではない。 ましてや知らないことが罪なのではない。 常識を、いかにも知っているのが当然のように語ることが罪だ。 そうすることで、伸びかけた芽を摘んでしまうことになる。 子供のすべては、純粋無垢な疑問から始まるのだから。 文化も歴史も制度も法律もすべて子供を育てるために存在している。 そう、世界のすべては子供のためにある。 そして子供でなくなった大人にはそれを維持する義務がある。 本当にいい刀とは鞘に入っているものだ。 人生は短い、他人を気にするな。 タイムマシンは必要ない。 過去へは記憶が、未来へは希望が連れて行ってくれる。 結婚とは魔法の箱のようなものだ。 外にいるものは中に入りたがり、中にいるものは外に出たがる。 道を知っているのと歩くのは違う。(モーフィアス《マトリックス》) 体重が重いと足跡も深くなる。 恋も同じだ。愛するほど傷が深い。 だれだろうといつだろうとどこだろうと、転ぶときは転ぶ。 経験を積んでも、転ぶときは転ぶ。 恥じることはない。 起きあがれるのなら。 敵を許せ。だが名前は覚えておけ。 アルコールではなにも解決しないが、心配するな。それが牛乳であったとしても解決するわけじゃない。 あらゆる事に言えることだが、綺麗に早く、そして音を立てるな。 学ぶべき事ではなく、学べることを学べ。 明日が来ることを、信じるな。 人を生き返らせるな。この世で一番重い罪だ。 特別な日があるのではなく、今日が特別な日

ホーキング放射

通常の空間で「対生成」が起こった場合、通常ならプランク時間内に「対消滅」する。 本来ならプラスマイナスゼロになるはずだが、事象の地平線付近で対生成が起こった場合、正か負の粒子のどちらかがブラックホール側に落ち込んでしまう可能性がある。 もし落ち込んだ粒子が「負の粒子」であった場合、それを取り込んだブラックホールは取り込んだ負の粒子分だけ自分自身の正のエネルギーを失う。    対して「対生成」で発生した「正のエネルギー」粒子は、事象の地平線を越えていない場所で発生したので、有限のエネルギーで脱出できる可能性が残されるため、十分なエネルギー量を持っている粒子は放出されると考えられる。 これを外から見ると「ブラックホールがエネルギーを放出しながら縮んでいる」ように観測される。 これを「ホーキング放射」と呼ぶ。 ホーキング放射を利用してエネルギーを得るエンジンのことを縮退炉という。 落ち込んだ負のエネルギーと同量の物質をブラックホールに投入することにより、ブラックホールが蒸発しきってしまうことを防ぎ、対生成で発生する正のエネルギーを回収できる。 ブラックホールの生成、維持、エネルギーの回収方法など技術的な問題に阻まれ、実用化はまったくの夢物語であるが、理論上作成が可能な動力機関で、熱力学第二法則に矛盾しない熱学的動力機関としては最も効率が良い。

死刑制度

死刑を支持するか、と問われれば、いったい誰が人の死を望んだりするだろう。 しかし、もし自分の愛する人が、理不尽な理由で残虐な方法で殺された場合、犯人の死を望むか、と言われれば望むかもしれない。 遺族が「極刑を望みます」と言い、死刑判決が出た時に、遺影にそう報告できてよかったと、涙を流す気持ちを想像してみる。 唯一、死刑執行を待ってほしい、と思うとすれば、それは1%でも冤罪の可能性がある時だろう。 しかし「冤罪を無くす」ことと「死刑制度の是非」を同じ土俵で考えるべきなのか、分からない。 良い悪いは別にして、「生き恥をさらす」という言葉があり、時に生きることより死の方が楽だ、美しい、とする考えがある。 病気や不慮の事故で「苦しまずに死ねた」ことは遺族にとって慰めだ。 傷病者が覚悟の上で迎える死ならば、遺族はまだしも救われるだろう。 遺体の損傷が少なく丁寧に葬儀を執り行えることも遺族にとっては大切なことだ。 死そのものは悪でも懲罰でもない。重要なのはその迎え方と迎えた後だ。 日本人が臓器移植にいまだ強い抵抗があるのは、死後の尊厳の問題もある。 死の迎え方が重要であり、すなわち懲罰の実体であるのなら、死刑囚に「最後の晩餐」を与えるのは間違っている。 死刑囚が、被害者に最後の晩餐を与えたのならともかく。 死刑は「苦しみが継続しない」刑罰である。死の迎え方を懲罰としなければ意味がない。

大臣と議員

2020年のコロナ禍(その前からかも)において国務大臣の能力の低さが際立って見えるようになった。 そもそも国務大臣、たとえばIT担当大臣が78歳でUSBの意味を理解できていなかったりするとかなり不安になってしまう。 台湾のIT担当相は38歳と聞くからかなりうらやましい。 こんなことではIT化など進むはずもなく、世界から取り残されるのも納得。 どうしてこうなるのかを考えてみた。 日本の国務大臣は通常16人だが、特別に必要のある場合は3人追加し19人任命できる(2020年4月時点)。 問題は、日本国憲法により「国務大臣の過半数は国会議員から選出されなければならない」とされていることだと思う。 よその国は知らないが、日本の国会議員になるのには特別な資格は必要なく、国民の支持があれば小卒でもなれる。小卒が悪いとは言わないが。 しかも別の文章で説明した通り、その大半が既得権益を背負った世襲議員であるため、専門家である可能性は低い。 そんな中から行政府のトップである国務大臣を選ぶのだから、質の低下は避けられまい。 では、憲法はなぜそんな縛りを設けたのか。 どうやらこれには戦前戦中の内閣の暴走がかかわっているらしい。 つまり、国務大臣を国会議員以外の民間から選んでくると、そこに「国民の民意」が反映されず、内閣総理大臣の内閣私物化を招いてしまうと考えたようだ。まあ考えてみればそれも一理ある。特に今の日本国憲法は戦後諸外国の影響下でひねり出されたものだから、二度と戦争を起こさないようにしたいのが心情だっただろう。 個人的に言わせてもらえれば、憲法に定められているのは「過半数」なのだから、19人中の9人は民間の専門家を入れてほしい。とくにIT担当相などの専門性が問われる分野は、その道の専門家がトップにいなければ現場の苦労が減らないだろう。国務大臣が国会議員の「上がり」のような扱いを受けている間は日本の停滞は続くと思われる。

違うの、そうじゃないの

戦争にいいも悪いもないの。いい戦争なんてないの。外交の失敗の結果が戦争なの。もう失敗してるの。戦争は外交上の失敗の後始末のための行動なの。交通事故で大破した車をスクラップにするのと同じなの。 原爆がいけないというのは、それとは無関係なの。毒ガスが悪であることは誰にでもわかる。音もなく、目に見えず、知らないうちに殺される。敵も味方もお構いなく。 前回の原爆は、それがもたらす結果を知らなかったで済ませていいの。だってあれは戦争だったから。謝る必要はないの。でも、原爆が悪いものだってわかったでしょ?そのために爆心地の広島に放射線研究所まで作って、何度も何度も核実験をして、何十年も原爆がもたらす影響を研究してきたのでしょ?今後使わないためにそれを生かして欲しいの。 世界で唯一、原爆を使用した国として、せめて態度だけでも示して欲しいの。最小でも最大でも無差別大量殺戮しかできないようなものを自国内に大量に持ってるなんて、正気の沙汰じゃ無いと思うの。 原爆を落としたことを責めたりしない。謝れなんて言わない。だから、せめて二度と使わないように努力して欲しいの。もう充分殺したじゃない。一発で14万人。御立派。まだ殺し足りない?あとは博物館に殻だけ展示して、ラベルを貼ってもう終わりにしようよ。 核兵器を作れば作るほど、盗まれる可能性は増えるんだよ?これはわかるよね?盗むのは核兵器を作る技術を持たない連中。いわゆるテロリストだよ?あなたと違って、彼らが核兵器の使用をためらう理由は、私には思いつかない。だって彼らに報復しようにも、どこにいるかわからないでしょ?また難癖つけてよその国に戦争ふっかける?彼らは痛くも痒くもないよ? 核兵器だけとは限らない。発電所のウランやプルトニウムだってそう。たとえば「汚い爆弾」、所謂ダーティ・ボムは、ダイナマイトやTNTを使ってウランやプルトニウムなどの放射性物質ををばら撒く兵器だけど、それだってわずかな量で数千人を即死させ、都市を死の地に変える。たった数キロの金属を持っているだけのテロリストがワシントンに入り込むことを阻止できる?彼らは自爆することも辞さないから、自分が被爆しようと爆死しようとお構いなしだよ?。例えばメキシコとの国境。全部に目を光らせておける?一人も通さないと断言できる? 行動して。僕らは世界で唯一核攻撃を受けた

ジャンプの主人公

冴羽遼←憧れる。生まれて間も無く乗っていた飛行機が墜落。かろうじて生き残ったものの、両親死亡の上ゲリラに拾われ戦闘機械に仕立て上げられる。生まれも名前も知らず、文字どうりの天涯孤独のなか、立て続けに襲う悲劇の運命にも挫けず、軽いキャラの仮面の下に愚直なまでにぶれない愛を隠して生きる男の中の男。その愛は少女から老婆まであらゆる女性の心を解す。軽いキャラを守るために相棒の留守中に急いで筋トレするなど人の見えないところで努力するシャイボーイ。通行人を巻き込まないために自分の掌をクッション替わりに銃を放ち、熱があれば氷を口に含んで仕事に出かけ、悪に堕ち愛する人を殺そうとするかつての育ての親を前に涙を一滴だけ流す、まさにやせ我慢は男の美学。殺人者ではあるが命の重さを深く理解する。同じ殺し屋でも、とりあえず皆殺しの臆病者ゴルゴより1000倍はかっこいい。ゆえに少々のセクハラは赦される。 前田慶次←粋。かぶき者。血筋家柄才能の恩恵と長年の訓練による戦国時代最強クラスの能力を持ちながらもけして驕らず権力に染まらず、他者の弱さや立場を理解し思いやり時に厳しく時に優しく接する。その戦いはまさに鬼神、戦国無双地獄モード。その太刀筋に込められた力とスピードに全てをかけ、朱塗りの槍一本で数万の軍勢に立ち向かう。筋肉バカかと思えば筆や詩歌や礼儀作法、最新の流行である茶の湯や風流に秀でるなど、その体格風貌からは想像もできない繊細な精神を内に秘める。その姿はまさに文武両道。強きをくじき弱きを助ける。金で動かず、義理人情に極めて厚く、友のために命を投げ捨て、己の信念と筋を通し、そのためには天下人を敵に回すことも辞さない。自分の信念の糸に自分の心臓を捧げる、けして真似はできないが間違いなく最高の男の生き様。戦国時代ゆえに生き方があまりにも男前で、北斗の拳と同様の理由で今のご時世ではジャンプには出て来れない。生まれつき虎よりも強いので二枚目。 大魔道士ポップ←努力は才能を凌駕する生き証人。作中では明記されないが、実は物語の最初から最後まで途切れることなく登場している二人の主人公格の一人。うだつの上がらない鍛冶屋の息子家出中という雑魚中の雑魚ポジションから想像もできないほどの成長を遂げ、最初から最後まで勇者を支え続け、時に味方をも欺き、時にはその魂をかけて彼を守り、勇者ゆえの

西暦536年

  その年、ヨーロッパ、中東、アジアの一部で謎の霧が垂れ込め、18ヶ月に渡って昼夜を問わずに暗闇にしてしまった。 「1年中、まるで月のように太陽の光から輝きが失われた」と東ローマ帝国の歴史家プロコピウスは記している。  536年の夏の気温は1.5~2.5度下がり、過去2300年間で最も寒い10年が始まった。  中国では夏に雪が降り、作物は枯れ、餓死者が出た。「降ってきた黄色い塵を手ですくい上げることができた」と『南史』に記されている。さらに歴史書に「南方で大きな雷が二度鳴った」と記載されている。普通の雷をわざわざ歴史書に書かないであろうから、それはよほど大きな雷鳴が響き渡ったに違いない。  朝鮮半島では雷が鳴り、疫病が大流行した。  アイルランドには、536~539年にかけて不作が続いたという記録がある。  さらに541年、エジプトにあるローマ帝国の港町ペルシウムを腺ペストが襲った。 「ユスティニアヌスのペスト」と呼ばれるようになったそれは、とんでもない勢い蔓延し、東ローマ帝国の3~2人に1人の命を奪い、帝国の崩壊を早めた。  まだ人類が到達していなかった南米においても、半化石化した樹木の年輪から、この時代の生長が極端に悪い事が確認されている。 ローマに残る記録によれば、空中でライオンやドラゴンが飛び交うのが目撃され、昼間から雷鳴が轟き、大粒の雹が降り注いだ。  日照時間の減少、樹木の生長不良、異常気象。 推測されるのは、世界規模の戦争、それも粉塵が上空を覆い隠すほどの大戦争。  この頃を境に、歴史書から神々の姿が消え失せている。  どこに行ってしまったのか?  結論から言えば、戦いの末に力を失い、歴史の表舞台から退場せざるをえなくなってしまったのだ。 数々の神話聖典を紐解くに、この頃に起こったであろう大異変は、新約聖書に予言された「神の国の降臨」であると推測される。 新約聖書によれば、それは自然界の壊滅的な大異変による人口減少、人類同士の戦争、そして最終的に天使の大軍勢による人類虐殺、その後降臨する神の国に入場できるのはほんの一握りのユダヤ人、それも少年のみ。 当然、世界中の神々や精霊、妖怪たちが黙っているわけもなく、神の計画を阻止

神話の暗示 その3

人間というのは面白いもので、遠く離れた民族の神話の中に共通点がいくつも見つかる事がよくある。世界は一度大洪水で滅びたとか、海に沈んだ大陸があったとか、英雄は一度死に、国家の危機に再び蘇るとか、世界の存続のために生贄を捧げ続ける必要があるとか。 大抵の場合、それは人類が共通の場所から長い旅に出発して、最終的に現在の位置に落ち着いたため、基礎となる神話があったせいだと思われる。 一つ、面白い符号を紹介したい。 前回もお話しさせてもらったが、イザナギは死んでしまった妻であるイザナミを迎えに黄泉の国(根の国)まで降りていく。そこで一悶着あって、結局妻を連れ戻すことを諦めて生者の世界に逃げ帰る羽目になるわけだが、ここで追手を退けるためにイザナギは身に付けていた三種類の道具を使う。 一つ目は髪紐。投げるとブドウに変わり、追手はそれを貪り食って足を止めた。 二つ目は櫛。投げると竹の子が生えて来て、追手はそれを貪り食って足を止めた。 三つ目は黄泉の国の境に生えていた桃の実。投げると追手は恐れをなして逃げ帰った。 有名な国産み神話の最終章の場面だが、ここで着目したいのはイザナギが用いた道具だ。 髪紐、櫛、桃の実。 この三種類、実はヨーロッパに伝わる有名な民話に、同じような用いられ方で登場する。 一度目は色とりどりの髪紐で絞殺、二度目は魔法の櫛で呪殺、三度目は毒林檎で毒殺。 「白雪姫」である。 白雪姫が成立した時代がハッキリしない(民話を収集し紹介したグリム兄弟の初版は1810年)ため、どちらがどちらに影響したのかは分からないが、ここまで共通していると共通の何かがあったと考えるのが妥当だろう。少なくとも全くの偶然ではあるまい。 つまり、古代世界において以下のような呪術的な常識が広い範囲で共通してあったと推測できる。 紐、櫛、果実 = 死の世界へ追いやる、死者を生の世界から遠ざける呪術的道具 連絡手段の限られた古代世界において、これほどまでに似通った表現が使われる点については、「死への恐怖」「特別な道具(特に衣食住などの生死に関わらないような、それでいて特別な効果のあるもの、化粧道具など)に対する特別な想い」などが複雑に絡み

神話の暗示 その2

『古事記』においては、 伊邪那岐命 (いざなぎのみこと)が 伊邪那美命 (いざなみのみこと)の居る 黄泉の国 から生還し、黄泉の穢れを洗い流した際、左目を洗ったときに天照大神(あまてらすおおみかみ)、 右目から 月読命 (つくよみのみこと)、鼻から 建速須佐之男命 (たけはやすさのおのみこと)が生まれたとされている。 左目から「太陽神」、右目から「月神」ここまではなんとなくわかる。 だが須佐之男は? 須佐之男 は「荒ぶる神」神話でも暴れまわって様々な場面で面倒ごとを引き起こし、人死まで起こしている。最終的には日本神話最大の怪物を退治し、国津神たちの祖となるわけだが・・・。 太陽、月、続いて暴れ神? 暴れ神も、天空にまつわる神ではなかったのか? 天空で暴れ回り、災厄を振り撒き、最終的に地上に落下し破壊をもたらす。 彗星、隕石の類ではなかったか? 実は日本の神々の中に星の神は少ない。その中でも有名なのが「天津甕星(あまつみかほし)」もしくは「天香香背男(あまのかがせお)」である。全国の星神社で祀られている。天津国で最後までまつろわなかった神である。そういう意味でも須佐男によく似ている。まつろわなかった結果、落とされたのが 須佐之男 になったとも考えられる。

神話の暗示 その1

神話伝説と歴史民族は絡み合う綱のようなもので、双方が影響しあって成り立っている。その一例を紹介する。 日本書紀・第五段第十一の一書において、姉神であり日本神話最高神、天照大神から 保食神 (うけもちのかみ・食物の神)と対面するよう命令を受けた月夜見尊は、言いつけ通り保食神のもとに赴く。 そこで保食神はもてなしとして「口から」飯を出したので、月夜見尊は「けがらわしい」と怒り、保食神を剣で刺し殺してしまう。 保食神の死体からは牛馬や蚕、稲などが生れ、これが穀物の起源となった。 天照大神は月夜見尊の凶行を知って「汝悪しき神なり」と怒り、それ以来、日と月とは一日一夜隔て離れて住むようになったという。 これは二つの寓意を含む神話である。 ①殺されて作物を生み出す食物神(大地母神が前身となっている事が多い)と、それを殺す月神(月齢を読み取り、農耕の時期を定める農業神)  =農業技術の発達による自然の征服過程、すなわち最終主体の生活から農業主体の定住型生活への移行を示す。 ②月神の「悪しき行い」と、「それにより月神を嫌う太陽神」  =日月分離、太陽と月が、共に天にあり輝きながらも交わらない理由付け。

高速増殖炉

・高速の中性子を使って、「燃えない」ウラン238を「燃える」プルトニウム239に変化させる ・天然ウランの99.3%は「燃えない」ウラン239(「燃える」ウランはウラン235) ・ウラン238は中性子を吸収することでプルトニウム239に変化する ・プルトニウム239(およびウラン235)は中性子をぶつけると核分裂し、その際に中性子が飛び出す ・最初にぶつける中性子のスピードが速いほど、多くの中性子が飛び出す ・通常の「軽水炉」でも同様の生成が起こるが、中性子のスピードが遅いので生み出されるプルトニウムは多くない  (これが核爆弾の原料となりうるため、原子力発電所は世界的に監視対象となっている) ・プルトニウム核分裂→一次系金属ナトリウムに熱を移す→中間熱交換機で2次系金属ナトリウムに熱を移す   →蒸気発生器で水を沸騰→蒸気でタービンを回す ・冷却材に水を使うと中性子が減速するので、熱を伝えやすい性質のナトリウムを利用 ・核分裂そのものはスピードの遅い中性子の方が効率よく進む ・核分裂の速度が軽水炉の250倍(制御が難しく、トラブルが起こると一瞬で暴走する) ・ナトリウムは空気や水やコンクリに触れると爆発する ・ナトリウムは不透明なので検査や点検が手探りになる ・プルトニウムの半減期は2万4千年 ・長崎原爆の原料で、5kgで作成された(もんじゅの量は1.4トン) ・そもそもプルトニウムは自然界にほとんど存在せず、他の原子炉からでた使用済み燃料を「再処理工場」で加工し取り出し、輸送しなければならない ・ナトリウムは水と比べて高温で運転されるため、熱による劣化が起こりやすい ・熱膨張も大きいので水管などの構造が複雑となり、地震に弱くなる

混乱、そして言語の相違についての解説

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・バベルの塔の物語は旧約聖書の「創世記」11章にあらわれる。そこで語られるのは下記のような記述である。位置的にはノアの物語のあとでアブラハムの物語の前に置かれている。 「もともと人々は同じ1つの言葉を話していた。シンアルの野に集まった人々は、煉瓦とアスファルトを用いて天まで届く塔をつくってシェム[2]を高く上げ、全地のおもてに散るのを免れようと考えた[3]。神はこの塔を見て、言葉が同じことが原因であると考え、人々に違う言葉を話させるようにした。このため、彼らは混乱し、世界各地へ散っていった」 原初史といわれ、史実性が疑わしいアブラハム以前の創世記の物語の中で、バベルの塔の物語は世界にさまざまな言語が存在する理由を説明するための物語であると考えられている。同時に「石の代わりに煉瓦を、漆喰の代わりにアスファルトを」用いたという記述から、古代における技術革新について述べ、人類の科学技術の過信への神の戒めについて語ったという解釈もある。 ・「バラル」はヘブライ語の「バビロン」。またアッカド語では「神々の門(バブ・イリ)」を意味する。 ・古代バビロンには実際に「ジッグラト」と呼ばれる巨大な塔がそびえていた。古代イスラエル人はこれに対する批判としてこの物語を紡いだと考えられる。絶大な権力と文明を誇るバビロンは、世界の中心として人々を統治するかに見えて、実は「混乱」の源にほかならないと。 ・「創世記」には、塔が崩された記述はないため、建設途中で放棄されたものと考えられる。 ・建設を指導した「ニムロデ王(絵の下に立つ人物)」は、ノアの息子。

イスラム教はこう考える

豚は食べるな。不潔だし牛や羊と違って寄生虫がいるぞ。 酒は飲むな。酔っ払って砂漠で迷子になったら凍死するぞ。 異教徒からは税金を取れ。説得は無駄だし儲かるぞ。 女は家から出るな。着飾るな。盗賊に攫われるぞ。 神様に子供なんているか。神様はお一人だけだ。 だからイエスは神の子じゃない。でも偉いやつだ。敬うぞ。 だれも神の代弁者になんてなれない。だからテロリストでも破門はできない。 勤勉であれ。そしたら儲かるだろ。 儲かるばかりだったら嫌味だろ。だから2.5%ぐらい喜捨しておけ。 一生に一度ぐらいはメッカに行っておけ。でも余裕がなければいいぞ。 ジハードをしろ。戦争って意味じゃないぞ。不正と腐敗に立ち向かえ。

アメリカの銃事情

アメリカ人が銃を支持する理由は、歴史的に政府に対し強い不信感があるから。 権利は市民が勝ち取るものであり、いざとなれば政府と戦わないといけない時があると考えている。 政府が横暴だったのは遥かに昔だが、アメリカ人は政府が永遠におとなしいとは絶対に思わない。 政府が二度と市民の権利を脅かさないために、政府を市民がよりよく監視するために銃を持つ。  銃殺事件のほとんどは違法に入手された銃によるもので、合法的に入手された銃による事件・事故はとてもわずかである。 アメリカでは今更銃規制しても悪人が銃を入手するのを止められない状況があり、仕方なく善良な市民に銃所持を認めて悪人を抑止している実情もある。

いかなる生者でもなかった死者

彼は越してきたばかりの街で、家に向かって車を運転していた。 突然に視界の外から転がってくるボール。 それを追いかけ飛び出すちいさな影。 急ブレーキをかけるも、直前まで見えていたはずの影とボールはどこにもいない。 ふと気がつくと、傍の電柱の根元には花束が備えられていた。 後日、同じ場所を訪れた彼は、花束を備えている女性と出会う。 聞けば、十年ほど前、ボールを追いかけて飛び出した女児が車に轢かれて亡くなったのだそうだ。 それ以来、近所の方が代わる代わる花を備えているとのこと。 何の関係もないはずの彼だったが、その話に興味を持った。 何より見てしまったことに因縁を感じたのだ。 過去の記事をネットのデータベースで検索してみる。 妙だった。 その交差点での交通事故など記事になっていない。 新聞の地方紙にも載っていなかった。 もう一度現場に出向いた彼は、花を手向ける別の人物に出会う。 その人物は事故の後越してきたのだが、事故のことを耳にして気の毒に思い、以来花を備えているという。 事故のことを誰に聞いたかを尋ね、その前に花を手向けていた人物に話を聞いていくうちに、実は事件の詳細を知る人物が一人もいないことに気づく。 そして、ついに最初に花を手向けたと思われる女性にたどり着いた。 30歳ほどと思われる彼女に、自分が幽霊らしきものを見てしまったこと、その後人づてに調べていることを話し、話を聞きたいと尋ねた。 彼女はなぜか最初ひどく驚き、続けて拒否の様子を示した。 宥めすかして話を聞いてみた結果は、驚くべきものだった。 「実験だったんです」 当時、大学で心理学を専攻していた彼女は、道端で度々目にする交通事故者への花束を手向けているのがどんな人で、直接関係のない人でも手向けているのかを調べていた。 そこで、「実際には交通事故が起こっていない場所に花を置いたら、無関係の人は花を備えつづけるだろうか」という実験を行なった。 最初の半年は何の変化もなかった。なんでもない場所に花を備える彼女を、近所の人が変な目で見ていたぐらいだった。だが、ある日いつものように花を持って訪れると、見覚えのない花が備えてあった。 実験は成功した。 事故など起こっていないのに、花束を供えた人物が現れたのだ。 この花を備えた人はどのような

パンドラの箱

パンドラとはギリシア神話における世界最初の女性。「すべての贈り物」という意味。 その昔、火を持たず動物と同じように暮らす人類を哀れみ、プロメテウス(先に考えるもの、の意)は天界から火を盗んで彼らに与えた。この行為に怒ったゼウスは、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るよう神々に命ずる。 鍛冶の神ヘパイストスは泥から女性の形を作り、アテナは料理や機織などの女性の仕事の能力を、アフロディテは男を苦悩させる魅力を、ヘルメスは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えた。そして彼らは最後に「決して開けてはいけない」といい含めてある箱を持たせてエピメテウスの元に送り込んだ。 美しいパンドラを見たエピメテウス(後で考えるもの、の意)は、兄であるプロメテウスから「ゼウスからの贈り物は受け取ってはいけない」という忠告を受けていたにもかかわらず彼女と結婚してしまう。 そしてある日、パンドラは好奇心に負けて箱のふたを開いてしまう。そのとたん、箱の中に入っていたありとあらゆる災い(モンスター、うらみ、ねたみ、不安、疑い、憎しみ、悪徳、疫病、悲嘆、飢餓、飢饉、戦争、犯罪)が飛び出した。 しかし、「エルピス」だけは箱のすみに残った。パンドラは慌てて蓋を閉じたが、これにより世界には災いが満ち人々は苦しむこととなった。 エルピスの解釈・・・神々の祝福か、最悪の災いか? 古代ギリシャ語における「エルピス」は「予兆」「期待」「希望」と訳される。 ①希望と訳する場合   ・プラスの解釈・・・数多くの災いが出てきたが、希望が残っていたので人間は絶望しないで生きられる。   ・マイナスの解釈・・・逆に希望こそ災いであり、希望がある限り絶望することもあきらめることも出来ず、期待を抱きながら生き続けなければならない。    ②予兆と訳する場合    ・プラスの解釈・・・残されていたのは未来を知ってしまうという災いであり、未来で何が起こるかわかってしまうと人間は絶望して生きることをあきらめてしまう。しかし予兆が箱の中から出て行かなかったため、人間は絶望しないで生きることができる。    ・マイナスの解釈・・・結果が分からなくなり、無駄な努力や遠回りをしなければならなくなった。

パレスチナの問題

★パレスチナ紛争の発端 ・第一次世界大戦時のイギリスによる「三枚舌外交」が原因。 ・パレスチナはかつてオスマントルコが支配し、パレスチナ人(イスラム教徒やキリスト教徒のアラブ人)とユダヤ人が共存していた.   が、第一次世界大戦でトルコに宣戦したイギリスは、パレスチナを占領するために矛盾する3つの約束をした。 ・1915年 メッカの太守フセインにパレスチナを含むアラブ地域の独立支持を約束(フセイン・マクマホン往復書簡) ・1916年 フランスとパレスチナを国際管理地域にすることを密約(サイクス・ピコ条約)。 ・1917年 ユダヤ有力者ロスチャイルドにパレスチナにユダヤ人国家建設支持を約束(バルフォア宣言)。 ・これらにより、フランスと協調し、アラブ人の対トルコ反乱に助けられ、ユダヤ人の資金援助を受けてパレスチナを占領 ・だが、戦争集結と共に約束を反故にし、イギリスはパレスチナを国連の委任統治領として手中に収めた。 ・その結果、それぞれがイギリスと独立の約束をしていたユダヤ人とパレスチナ人の間で対立が深まっていった。 ・特に「故郷なき民」としてヨーロッパ各地で長年迫害されていたユダヤ人が、古代イスラエル王国のあったパレスチナに独立国家を築くべく、   パレスチナで土地を買い集めて各地に入植地を作り、シオニズム運動によってパレスチナに「帰国」するユダヤ人が増えると、   パレスチナ人は危機感を抱いてしばしば抗争が発生するようになった。 ・第二次世界大戦後、ナチスによる虐殺で国際的な同情を集めたユダヤ人がイギリス政府に独立支持を強要(テロ)。 ・1947年 イギリスは委任統治の放棄を発表。 ・イギリス撤退後のパレスチナをどうするかが急きょ問題になり、国連はパレスチナをユダヤ人国家とパレスチナ人国家に分割して   エルサレムは国際管理下に置くという分割案を採択。 ・イスラエルの建国準備を進めていたユダヤ側はこれを受け入れたが、パレスチナすべての領有を主張するパレスチナ人側は拒否。 ・1948年5月 イギリス撤退と同時にユダヤ人はイスラエルの独立を宣言。 ・これに対してパレスチナ人を支援するエジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの周辺アラブ諸国が参戦して第一次中東戦争

なぜお金を稼がないといけないのか

生活の為だといった意見がもっとも多そうですが、もう少し掘り下げて別の視点で考えてみましょう。 まず富というのは基本的に増えていくということです。 例えば、世界に二人(A君とB君)しか人間がいないとします。 そして、1万円札が1枚だけあるとします。 この時点では、世界全体の富の合計金額は、たったの1万円ということになります。 最初、A君が1万円札を持っていたとします。 B君はそれが欲しかったので、A君のために家を作ってあげて、A君に1万円で売ってあげました。 その結果、今度は B君が1万円札の所有者となりました。 A君の手からは1万円札が失われましたが、かわりに家が残りました。 この時点で世界全体の富の合計金額は2万(1万円札+1万円相当の家)円ということになります。 次に、A君は、ふたたび1万円札が欲しいと思い、B君のために家を作ってあげてB君に1万円で売ってあげました。 その結果、今度はA君は1万円札と家の所 有者となりました。 B君の手からは1万円札が失われましたが、かわりに家が残りました。 この時点で世界全体の富の合計金額は3万円(1万円 札+1万円相当の家が2軒)ということになります。 こうして、A君とB君との間を1万円札が行ったり来たりするたびに、A君とB君の手元には、様々な不動産や価値ある品物が増えていきました。 つまり世界全体の富の合計金額が増えていきました。 やがて、二人は良い考えを思いつきました。 お互いに価値ある財物をたくさん所有するようになったので、それらを担保として1万円札をもっとたくさん作ろうと考えました。(10万円相当の財物を担保に1万円札を10枚作るということ) その結果、もっと多くのお金が二人の間を行き来するようになり、もっとたくさんの財物が生産されるようになりました。 設定にやや無理がありますが、原理は真実です。 世の中の各人が「お金が欲しい」と思い、お互いに努力し、生産し、サービスを提供し、つまりは経済活動をすればするほど、世の中全体の価値ある品物・価値あるサービス・つまり富は増えていくのです。 要するに、お金を儲ければ儲けるほど、世の中全体も豊かになっていきます。 お金を儲けたということは、それに相当するだけの価値を誰かに提供したことになるのです。  つまり「A君に作

仏教はこう考える

①輪廻転生         生まれ変わることはつまり苦しみである。    二度と生まれてこない=解脱こそがが仏教の理想である。 ②菩薩        あえてこの世に戻り衆生を救済しようとする悟りに到達した存在のこと。 ③四苦八苦 「苦」とは「思うようにならない」という意味。   生・・・生きるために殺すという因果から逃れられないという苦しみ   老・・・年を取り衰えていくことが避けられない苦しみ   病・・・自分の意志ではなく病にかかるという苦しみ   死・・・死んでしまうという苦しみ  愛別離苦(あいべつりく)  ・・・ 愛する者と別離すること  怨憎会苦(おんぞうえく)  ・・・ 怨み憎んでいる者に会うこと  求不得苦(ぐふとくく)    ・・・ 求める物が得られないこと  五蘊盛苦(ごうんじょうく)・・・ 五蘊(ごうん…人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと ④三千大千世界 須弥山を中心とする世界を一世界とし、一世界が千個集まったものを小千世界、小千世界が千個集まったものを中千世界、中千世界が千個集まったものを大千世界、もしくは三千大千世界、三千世界、三界、三千界と言う。 これは一人の仏(我々の世界では釈迦如来)が教化する(救いをもたらす)世界のことであり、世界は無数の三千大千世界から成る。 1つの三千大千世界は1人の仏が教化できる範囲であるとされるため、1つの三千大千世界を1仏国土とも呼ぶ。我々が住んでいる仏国土は娑婆(サハー)と呼ばれている。 阿弥陀如来が教化している仏国土を極楽浄土と呼び、我々の仏国土の西方に位置しているため西方極楽浄土と呼ぶ。 ほかに良く知られている仏国土には薬師如来の東方浄瑠璃世界や阿閦如来の 妙喜世界がある。

水底の民

福井県大野郡和泉村 古くから河童に縁のある村で、いまでも河童から製法を教わった傷薬を作る家があるという。 ある夜のこと、10人以上の村人が河童の声を聞いた。 「川の水を替えてくれ、水がおとろしい」 河童はこう訴えた。 村人は村に流れる九頭竜川の様子を見に行った。 いつもと変わらず青く澄んで流れている。 ところが河童はその後も 「たのむたのむ」 「もう住んで居れん」 「あの川の水はお前さんらにもようないはずじゃ」 と訴える。 しばらくのち、大雨の日に河童たちはよろよろとよろけながら山の奥に立ち去ったという。 それから2年後、和泉村の村長が県から呼び出され、九頭竜川のカドミウム汚染を告知された。 県は川の上流の鉱山の汚水処理が故障しており、 この数年鉱毒が流れ出していたと説明し、汚染された作物を補償すると申し出た。 村人は今更ながらに河童に申し訳なく思い、山に登った。 「お前らのおかげで助かった。ありがとうなあ」 すると霧の奥からかすかに聞こえる声が答えた。 「百年もしたら戻っていくさかい、それまで川をきれいにしておいてくれえ」 それ以来、村人は村をあげて水質改善に取り組み続けている。

鬼、もしくは山姥、山の民

・かつて、技術がまだ普遍的な知識として存在していなかった時代。   技術者は日常からかけ離れた存在として 認識された。   そもそも、姿形が人間だからといって、自分の仲間とは認識されることも少なかった時代のこと、   技術者は「人外の物」として恐れられた。 ・時がたち、徐々に技術が知識体系として整備され「学ぶ」ことが可能になるにつれ、技術者を包んでいた「ベール」   がほどけ始める。彼らは山を下り、里に入り、人と交わるようになる。 ・このとき、彼らが纏っていた「ベール」はどうなるか。   技術が知識として認識されるようになり、いつしか 過去の遺物として風化していくものもあっただろう。   けれどなかには、ベール自体が独立して言い伝えや民話、 童歌のなかに存在し続けることもあっただろう。 ・かつて技術者がまとい、彼らが歴史の中に身を投じる際に脱ぎ捨てた「ベール」、これもまた鬼のルーツではなかったか。 ・鉱脈を求めて常に山をわたりあるき、砂鉄を得るために岩肌を削り川へ流し、時に地の底へ通じる坑道を作る「山の民」   平地で農耕を営む者たちとの間で、恐れから、或いは水や山の資源を巡ってか、争いがあったことは想像に難くない。 ・昼夜無く火を使い、一所にとどまらず、山の木を刈り尽くし、川の水を汚す。時には平地に下り、山では手に入らぬ作物   や、時には女性や子供も攫ったりしたかもしれない。   平地の民が知らぬ神に祈りを捧げ、供物を供え、高温の火を扱うために片目片腕の障害、たたらの踏みすぎで片足を失う   ことすらあっただろう。   そんな「山の民」は、平地の民からみれば「得体の知れない異形の集団」であり、そのなかに「鬼」の原型を見たかもしれない。 ・製鉄の際にでるスラグ(鉱滓あるいは金屎)はかつて「堕胎薬」として用いられた。下界との交流で「生まれてはいけな   い子供」が出来たとき、それを処理したかもしれない。彼らが去った後に胎児の骨が見つかれば「人食い」の伝承もここ   につながるかもしれない。(→黒塚の鬼婆) ・処理をしたのは女性だったかもしれない。鉱物を求め山を駆ける男たちに従い、医師或いは呪い師としての役割を担った   女性がいたか

ノーライフキングとしての真祖

不死。人類が求め続けてきた夢の一つだ。 ノーライフキングとは、直訳するならば「不死者たち、つまりアンデッドたちの王」という意味になる。 アンデッド【死に損ない】には、有名なところでハイチのブードゥー教におけるゾンビ、アラビアの砂漠を彷徨い墓所を暴いては死体を貪るグール、中国の食人鬼キョンシー、エジプトのマミー、スカンジナビア半島の伝承に登場するワイトである。 これらにはいずれも共通の特徴がある。それは、なんらかの論理宗教によって「他人にある程度操られる」ことだ。 ノーライフキングはここが決定的に違う。ノーライフキングは「自分の意志で」アンデッドになったものたちであり、こちらの代表は言わずと知れたヴァンパイア、ヨーロッパの首なし騎士デュラハン、最高の奥義を極めた魔術師や聖職者が最後に行き着くリッチーなどがある。 さて、今回問題としたいのは「真祖」と呼ばれる存在だ。 ヴァンパイアに襲われ、噛まれたものはヴァンパイアになる。すでに死んだ死体であるヴァンパイアが爆発的に個体数を増やす理由はこれである。一度始まった吸血鬼禍はほとんど手が付けられない。人間が使う魔術の大半を無効化し、その虚な魂や強靭な肉体は精神及び物理攻撃を受け付けず、病気にかからず、傷は超速回復する、霧や狼や蝙蝠の大群に変化する事ができ、その上自動車を素手で引き裂くほどの怪力を備えた怪物である。 だが、弱点は多い。 まず日光。もろに浴びれば一瞬で灰の塊になる。流れる水は越えられず、心臓にバラの根で作られた杭を打ち込まれると滅びる。キリスト教のロザリオかどうかは無関係に十字状の物体について極度の恐怖を抱き動けなくなる、触れると火傷する。ニンニクなどの香草が苦手で、聖水で火傷し、聖書の音読を聴くと苦しみ、聖書のページに囲まれると踏み越える事ができず、鏡には映らない為正体を見破るのは容易い。招き入れられなければ他人の家に侵入することはできないし、銀の弾丸を撃ち込まれたり、燃やされたり、首を切り落とされれば動けなくなり無効化される。その上、眠る時はヴァンパイアとして生まれた場所の土の上で眠らなければ力が衰えていく。なにより、親ヴァンパイアが倒されれば子ヴァンパイアは消滅する。 ヴァンパイアはヴァンパイアに噛まれて増殖する。では最初の一人は?