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パンドラの箱

パンドラとはギリシア神話における世界最初の女性。「すべての贈り物」という意味。 その昔、火を持たず動物と同じように暮らす人類を哀れみ、プロメテウス(先に考えるもの、の意)は天界から火を盗んで彼らに与えた。この行為に怒ったゼウスは、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るよう神々に命ずる。 鍛冶の神ヘパイストスは泥から女性の形を作り、アテナは料理や機織などの女性の仕事の能力を、アフロディテは男を苦悩させる魅力を、ヘルメスは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えた。そして彼らは最後に「決して開けてはいけない」といい含めてある箱を持たせてエピメテウスの元に送り込んだ。 美しいパンドラを見たエピメテウス(後で考えるもの、の意)は、兄であるプロメテウスから「ゼウスからの贈り物は受け取ってはいけない」という忠告を受けていたにもかかわらず彼女と結婚してしまう。 そしてある日、パンドラは好奇心に負けて箱のふたを開いてしまう。そのとたん、箱の中に入っていたありとあらゆる災い(モンスター、うらみ、ねたみ、不安、疑い、憎しみ、悪徳、疫病、悲嘆、飢餓、飢饉、戦争、犯罪)が飛び出した。 しかし、「エルピス」だけは箱のすみに残った。パンドラは慌てて蓋を閉じたが、これにより世界には災いが満ち人々は苦しむこととなった。 エルピスの解釈・・・神々の祝福か、最悪の災いか? 古代ギリシャ語における「エルピス」は「予兆」「期待」「希望」と訳される。 ①希望と訳する場合   ・プラスの解釈・・・数多くの災いが出てきたが、希望が残っていたので人間は絶望しないで生きられる。   ・マイナスの解釈・・・逆に希望こそ災いであり、希望がある限り絶望することもあきらめることも出来ず、期待を抱きながら生き続けなければならない。    ②予兆と訳する場合    ・プラスの解釈・・・残されていたのは未来を知ってしまうという災いであり、未来で何が起こるかわかってしまうと人間は絶望して生きることをあきらめてしまう。しかし予兆が箱の中から出て行かなかったため、人間は絶望しないで生きることができる。    ・マイナスの解釈・・・結果が分からなくなり、無駄な努力や遠回りをしなければならなくなった。

パレスチナの問題

★パレスチナ紛争の発端 ・第一次世界大戦時のイギリスによる「三枚舌外交」が原因。 ・パレスチナはかつてオスマントルコが支配し、パレスチナ人(イスラム教徒やキリスト教徒のアラブ人)とユダヤ人が共存していた.   が、第一次世界大戦でトルコに宣戦したイギリスは、パレスチナを占領するために矛盾する3つの約束をした。 ・1915年 メッカの太守フセインにパレスチナを含むアラブ地域の独立支持を約束(フセイン・マクマホン往復書簡) ・1916年 フランスとパレスチナを国際管理地域にすることを密約(サイクス・ピコ条約)。 ・1917年 ユダヤ有力者ロスチャイルドにパレスチナにユダヤ人国家建設支持を約束(バルフォア宣言)。 ・これらにより、フランスと協調し、アラブ人の対トルコ反乱に助けられ、ユダヤ人の資金援助を受けてパレスチナを占領 ・だが、戦争集結と共に約束を反故にし、イギリスはパレスチナを国連の委任統治領として手中に収めた。 ・その結果、それぞれがイギリスと独立の約束をしていたユダヤ人とパレスチナ人の間で対立が深まっていった。 ・特に「故郷なき民」としてヨーロッパ各地で長年迫害されていたユダヤ人が、古代イスラエル王国のあったパレスチナに独立国家を築くべく、   パレスチナで土地を買い集めて各地に入植地を作り、シオニズム運動によってパレスチナに「帰国」するユダヤ人が増えると、   パレスチナ人は危機感を抱いてしばしば抗争が発生するようになった。 ・第二次世界大戦後、ナチスによる虐殺で国際的な同情を集めたユダヤ人がイギリス政府に独立支持を強要(テロ)。 ・1947年 イギリスは委任統治の放棄を発表。 ・イギリス撤退後のパレスチナをどうするかが急きょ問題になり、国連はパレスチナをユダヤ人国家とパレスチナ人国家に分割して   エルサレムは国際管理下に置くという分割案を採択。 ・イスラエルの建国準備を進めていたユダヤ側はこれを受け入れたが、パレスチナすべての領有を主張するパレスチナ人側は拒否。 ・1948年5月 イギリス撤退と同時にユダヤ人はイスラエルの独立を宣言。 ・これに対してパレスチナ人を支援するエジプト、ヨルダン、シリア、レバノン、イラクの周辺アラブ諸国が参戦して第一次中東戦争

なぜお金を稼がないといけないのか

生活の為だといった意見がもっとも多そうですが、もう少し掘り下げて別の視点で考えてみましょう。 まず富というのは基本的に増えていくということです。 例えば、世界に二人(A君とB君)しか人間がいないとします。 そして、1万円札が1枚だけあるとします。 この時点では、世界全体の富の合計金額は、たったの1万円ということになります。 最初、A君が1万円札を持っていたとします。 B君はそれが欲しかったので、A君のために家を作ってあげて、A君に1万円で売ってあげました。 その結果、今度は B君が1万円札の所有者となりました。 A君の手からは1万円札が失われましたが、かわりに家が残りました。 この時点で世界全体の富の合計金額は2万(1万円札+1万円相当の家)円ということになります。 次に、A君は、ふたたび1万円札が欲しいと思い、B君のために家を作ってあげてB君に1万円で売ってあげました。 その結果、今度はA君は1万円札と家の所 有者となりました。 B君の手からは1万円札が失われましたが、かわりに家が残りました。 この時点で世界全体の富の合計金額は3万円(1万円 札+1万円相当の家が2軒)ということになります。 こうして、A君とB君との間を1万円札が行ったり来たりするたびに、A君とB君の手元には、様々な不動産や価値ある品物が増えていきました。 つまり世界全体の富の合計金額が増えていきました。 やがて、二人は良い考えを思いつきました。 お互いに価値ある財物をたくさん所有するようになったので、それらを担保として1万円札をもっとたくさん作ろうと考えました。(10万円相当の財物を担保に1万円札を10枚作るということ) その結果、もっと多くのお金が二人の間を行き来するようになり、もっとたくさんの財物が生産されるようになりました。 設定にやや無理がありますが、原理は真実です。 世の中の各人が「お金が欲しい」と思い、お互いに努力し、生産し、サービスを提供し、つまりは経済活動をすればするほど、世の中全体の価値ある品物・価値あるサービス・つまり富は増えていくのです。 要するに、お金を儲ければ儲けるほど、世の中全体も豊かになっていきます。 お金を儲けたということは、それに相当するだけの価値を誰かに提供したことになるのです。  つまり「A君に作

仏教はこう考える

①輪廻転生         生まれ変わることはつまり苦しみである。    二度と生まれてこない=解脱こそがが仏教の理想である。 ②菩薩        あえてこの世に戻り衆生を救済しようとする悟りに到達した存在のこと。 ③四苦八苦 「苦」とは「思うようにならない」という意味。   生・・・生きるために殺すという因果から逃れられないという苦しみ   老・・・年を取り衰えていくことが避けられない苦しみ   病・・・自分の意志ではなく病にかかるという苦しみ   死・・・死んでしまうという苦しみ  愛別離苦(あいべつりく)  ・・・ 愛する者と別離すること  怨憎会苦(おんぞうえく)  ・・・ 怨み憎んでいる者に会うこと  求不得苦(ぐふとくく)    ・・・ 求める物が得られないこと  五蘊盛苦(ごうんじょうく)・・・ 五蘊(ごうん…人間の肉体と精神)が思うがままにならないこと ④三千大千世界 須弥山を中心とする世界を一世界とし、一世界が千個集まったものを小千世界、小千世界が千個集まったものを中千世界、中千世界が千個集まったものを大千世界、もしくは三千大千世界、三千世界、三界、三千界と言う。 これは一人の仏(我々の世界では釈迦如来)が教化する(救いをもたらす)世界のことであり、世界は無数の三千大千世界から成る。 1つの三千大千世界は1人の仏が教化できる範囲であるとされるため、1つの三千大千世界を1仏国土とも呼ぶ。我々が住んでいる仏国土は娑婆(サハー)と呼ばれている。 阿弥陀如来が教化している仏国土を極楽浄土と呼び、我々の仏国土の西方に位置しているため西方極楽浄土と呼ぶ。 ほかに良く知られている仏国土には薬師如来の東方浄瑠璃世界や阿閦如来の 妙喜世界がある。